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一点集中化計画

エンジニアは移住するべきか

親族の生温い目

今年の正月に妻の両親に挨拶に行った時、私はリモートで仕事をしていると話した。「今の人はそういう働き方なのです」という私の説明に対し、義父はハッ!と鼻で笑った。 義父、義母は自営業で体力仕事である。毎日客を相手に年中休みはない。正反対の私の言葉は頭に来たのかもしれない。私としてもその分実力主義だしストレスもあるなど、反論はあるがそこは曖昧に濁し、適当に相槌を打って挨拶を終えた。

環境設定の前提を考察

私は自然を愛している。広大な大地に囲まれ、家を出たその瞬間、0距離で森林を味わいたいのである。溢れ出るマイナスイオンプラズマクラスターがエセだったとか科学的根拠が薄いとか、そんなのはこの際どうでも良い。これまでは山へ、海へ出る為交通機関を駆使して1時間を要しそれらへ繰り出して来た。

ある時は六甲山の頂で1人レトロを実施して1週間を総括し、ある時は須磨海岸ストロングゼロをあおりながら威風堂々たる歩みの飼い主と共にプリケツをゆするゴールデンレトリバーを眺むる。 そうした週末の実りあるフィールドワークは、私を移住への情念へと駆り立てた。 天が私に命じる、心に従いなさいと。 リモートなのに都会に住む意味は、もはやないのである。

$ stress -c => shutdown -h now

大阪は人がい過ぎる。ストレスの負荷が過大なのである。酔っ払った20代が電柱の影で立ちションし、昭和マインドの老人がタバコに火がついたまま投げ捨てる。6車線道路ではパトカーと救急車と消防車とバニラと街宣車がドリフトし、空では伊丹空港にランディングするANAが轟音と共に下降する。enough!! そんな彼らの一挙手一投足がもう、ストレスなのである。

そんなの、どの都道府県でも見られる光景であるとする意見はある。 が、私はこれらは「空間」による所が大きいと分析した。即ち密度、小池都知事風に言うとパーソナルスペースである。

見よ、フィンランドを。あれだけ人との距離がありながら、幸福度は世界一をほしいままにしているではないか。2位以降もやはり密度が低い国々が並ぶ(擬似相関とは言わせない)

調べると私が住んでいる区の人口密度は1km四方で1.3万人。狂気である。東京よりかはマシであろうが、梅田まで歩いて10分とか、住んでる真下が地下鉄とか、今の私にはもうどうでも良かった。密度!キーは密度!私は拳を握り連呼した。

不文律を明文化

しかし密度だけが問題なら、地方ならどこでもいいと言うことになるのだろうか?あまりにも寂れた、平均年齢が50を超えるような住んでる人みんな顔見知り的な、就農で移住して来た若い夫婦をいじめる的なのは勘弁願いたい。干してる洗濯物の間を隣の爺さんが勝手に掻き分けて通るのは以ての外である。ではand検索で追加すべき要素は何か?私は考えた。

そして導き出したゴールデンファクターはこうである。

  • 密度200 ~ 1000人
  • 人口10万人以上の市
  • 自然へのアクセスが徒歩圏内
  • 家賃10万以内で2LDK
  • 犬猫を複数飼える
  • 築10年以内

上記の条件は私が約1年掛けて辿り着いた。暇さえあればsuumoを読み解き、賃貸業者に連絡を取ってはああ、その表記は間違いですとサラリと言われながらも週末は各地のホテルに泊まって現地に住む感覚をsimulateし、道ゆく犬と心を通わせ脳内で勝手に私の犬とした。

上に挙げた数字は足で稼いだ賜物である。密度が300人ぐらいでも人口が10万人いない市は寂れていたし、やや都会な地方では犬は小型のみとか、猫はダメというのがほぼ全てだった。そりゃあ古ければ安いのはあるが限度があるから築10年の条件を追加した。神奈川や埼玉で真剣に探した事もあるが、家賃を抑えながらお供(犬猫)を従えるとなると、急に築40年以上以外は消え去った。

何度も言う。都心へ近いなどもはや利点は薄い。ビジネスチャンス、イベンツ、朝活は私には不要である。買い物に便利だと?刮目せよ。全てはアマズンが解決してくれる。

ネットが心配だ?現実を見ろ。ネットはコンビニよりもユビキタスである。日本は東京以外にも存在すると知らない文盲達は今こそ天誅を喰らうが良い。悔い改めよ。ネットとAmazonは全てを解決すると知れ。 都心のメリットの第一は仕事だ。そしてその仕事が今やリモートなのである。

フューチャーペーシング ドリブン

理想のイメージはこうだ。よくアメリカドラマで見る郊外の一軒家、決してド田舎ではなく、たまにセグウェイが走り去り文明との繋がりを垣間見せる。ハブチャリでも良い。それがuberならなお良し。真っ直ぐな道路の両側には50mごとに庭付き戸建てが立ち並ぶ。ペーパーボーイが新聞を投げ入れる様を応援するのもいいだろう。 自宅にはガレージがあり、車を持たない私はそうだ、ここにPCを持ち込みディスプレイを複数設置して株のトレードやら世界のニュースやらをcheckする。薄暗くしてターミナルをカタカタやるのも気分が出る。 そんな時私の愛犬「カマチョ」が誤って机のお菓子を床にぶちまけた。 私は軽く叱るも余裕な気持ちでalexa、掃除してと指示を出す。rumbaの上には愛猫「ムチ子」が鎮座し、一緒に部屋を移動している。 窓の外を見るとスクールバスに乗り込む小学生達が見える。隣を振り返り私は妻に子供もいいね、などと意味深な言葉を掛ける。 この辺でやめよう。妄想が酷い。


大きめの犬も飼える事、この条件は相当厳しく、賃貸ではまず無理と思い知らなければならない。猫はその次に厳しい。通常ペットokとする物件は小型犬を指す。仮に犬猫多頭飼いOKなら築40年以上は覚悟しなければならない。40年以上でもリフォームしてる物件もあるから大丈夫だと?甘い!そんな物件は家賃にかなり上乗せしている。

釣り広告の先に

更に探し続ける事数ヶ月、関西、関東で検討していた私は天命を受ける。深層心理の発露かも知れない。老後は北海道に住む、の夢を今実現せよと私は確かに聞いた。白昼夢の気がある私はそれが原因かも知れないが、何しろ操られたように対象を北海道に絞り込んだ所、物件の鉱脈を掘り当てたという訳だ。

数は多くないにしても、確かに存在する物件達 日本国の4分の1を占める北海道は、開拓の歴史を持つアメリカとどこかその様相が似ている、と私は仮説を持っていた。上記で定義した理想のイメージとassociateする。迷いは無かった。

今私はこれを、北海道から書いている。引っ越しも無事済んで、インターネッツも開通、速度は400MBは出ている。その内ルイーダの酒場へ行き、仲間(お供)を募るつもりである。 何にせよその前に車だ。駐車場2台付き(北海道では普通)なのに私は車を持ってない。 休みにはフンフン言いながら車雑誌を読もう。 したい事が沢山ある。 今後もの珍しいイベントが起こればまた続きを書くつもりである。


※自身の投稿をback up する目的でここに保存しています。 qiita